読書感想:三色のキャラメル~不妊と向き合ったからこそわかったこと~
「三色のキャラメル 不妊と向き合ったからこそわかったこと」という本を読みました。
参照:三色のキャラメル 不妊と向き合ったからこそわかったこと
作者の永森咲希さんは、お子さんができないまま不妊治療を終え、今は不妊ピアカウンセラー、家族相談士として活躍されています。
私は年齢的なこともあるし、そして前回の人工授精で妊娠しなかったこともあり、まだ不妊治療を始めてまもないですが、「いつ不妊治療を辞めるのか?」という心の区切り方を考えたくて、この本を手に取りました。
本を手にした瞬間、すぐ読みたくなってしまって、本屋の近くのカフェに駆け込み、1時間半くらいで一気に読みました。
辛い離婚経験と、ハードワーク、そして現在のご主人との出会いや、過去のトラウマ、不妊治療の羽陽曲折、いろんなことを包み隠さず書いてくださっています。
「不妊治療をしている、していた」と語ってくれる人はなかなか身近にいないので、「不妊治療をしていた先輩の、こういう声が聞きたかったんだ!」と心から思いました。
永森さんが25歳だった頃から始まり、40歳を過ぎ、そして本を出版された時にいたるまで、永森さんの細かな心の変化を読ませていただいて、とても参考になりました。
前回の記事(排卵日の大誤算 - 優しい風にゆれながら)で、
「最近は、ふと気がつくと、「子どもを妊娠して出産しても、大きくなる前に死んじゃう子もいるんだよね・・・」とか、考えても仕方ないことをずっと考えてしまったりしています。」
と書いたのですが、永森さんの本を読んで、その答えが少し分かった気がします。
永森さんは飼い猫の死を通して、人間も動物も、一人で死んでいくことを悟ります。
「だから大丈夫」と。
そして高校時代の仲間と再会し、「子どもがいる人も、いない人も、みんな素敵な大人になった」と感じた永森さんは、「自分が大事」なんだと気付いたと言います。
子どもがいても、いなくても、自分自身を大切にしてあげること。
自分が幸せでいること。
大切なのは、そういうことなのかも知れません。
しかし一方で、永森さんは「自分の年齢よりも卵子はずっと早く老化していくことを、それまで誰も教えてくれなかった」と書いています。
それが分かっていれば、タイミングで様子を見る期間などとらず、早くステップアップしていたのではないか?と…。
永森さんのような勇気ある女性が、こうして後に続く女性たちに経験を分かち合ってくださったことに感謝します。